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偽りの名 呵々闘諍の日記(力水の書いたやつ) 決闘時空まとめページ
2012-08-23(木)
決闘時空(デュエルスペース)第二話 Part2

決闘時空 第二話 「出会う者」Part2

「あ、アンタは、大庭 基(おおにわ はじめ)!?」
そこにいた少年の名を見城は知っていた。見城が少年の正体に気がつくと吉井と天神も彼のことを思い出したようだった。
「「大庭さん(君)!?」」

基は吉井達と同じ学年の二年生である。前髪で目が隠れており、自己主張をあまりしないため目立たず、吉井達とは別のクラスということで二人は思い出すのに時間が掛かった。
しかし、吉井達にとって基には印象に残るものがあった。

1年前、入学式で生徒会のメンバーを決める選考会において吉井と見城は基とデュエルしている。
吉井は一次選考において最後にデュエルし、基に敗北して一次選考の幕を閉じた。
見城の場合は三次選考、つまり生徒会役員を決める最後のデュエルにおいて基と闘い、彼女は勝利して生徒会に入ることができたのだ。

だが、それよりも印象に残る出来事があった。今年の一次選考会のルールは制限時間内において10ポイントのポイントを稼ぐポイントを賭けたデュエル、かの決闘者王国をモチーフにしたものであった。
そこで基は9ポイント稼いでいたが、制限時間ギリギリで参加した鷹野 麗子に敗北し、全ポイントを失って敗退した。
しかも、鷹野は体育館の開けた上空からヘリコプターから飛び降りて登場し、多くの生徒たちの大注目を集めたデュエルの中で基は敗北した。そのため、それを見ていた天神にも多少なりとは印象を残しているのだ。

「な、なんだか、僕を見る目が哀れみの目のような気がします…。」
基は吉井達が鷹野に敗北し、ポイントを全失したかわいそうなデュエリストのような目で見られているということを察して少し落ち込んでいた。
「もう基くんのターンは終わりかな?」
落ち込んでいる基を見て対戦相手の女性は声をかける。その女性は長い桃色の髪が特徴的で黒いスーツを着た少し背の高い優しそうな女性であった。

「あなたはもしかして、栗原、先輩?」
「栗原…?」
「あ、もしかして天神さんが生徒会に入った時にいた先輩ですか?」
吉井はかつて見た生徒会役員名簿に記載されていた天神と同期のメンバーの中で栗原という人物がいた事を思い出す。
「そう。あまり面識はないんだけど、私が最初に生徒会に入った時の3年生の先輩よ。私はすぐ出て行っちゃったけど…。」
天神は自分勝手な理由で生徒会を抜け出してしまったことを少しばかり後悔しているようで、顔を伏せた。

「ふ〜ん、天神さん覚えていてくれたんだ〜?あの時はごめんね?私が強ければあなたも出て行くことはなっかたしね?でも、今はそんなことないよ?基くんを倒したら今度は天神さんの番だからかな?」
対して、栗原の方はかつての天神の振る舞いを気にしている様子はなかった。それどころか今の自分なら天神に勝つ自信があるようであった。
いや、自信というより、むしろ勝利に対する絶対的な確信、狂気めいたものが彼女からは発せられていた。

「そんなことより、どうしてここで二人がデュエルしてるんだよ?」
見城は何故ここで基と栗原がデュエルしているのかと言う見城を始め生徒会メンバー3人が疑問に抱いていることを問いかけた。
「それは後で説明します。それよりも先にこのデュエルを終わらせなくちゃいけないので。」
「そうかな?基くん進めていいよ〜?」
二人は見城の質問には答えず、デュエルを続行し始める。デュエルが再開すると吉井達3人はこの二人のデュエルがただのデュエルではないことを感じ始めた。

「《貫ガエル》に《団結の力》を装備、自分の場にいるモンスターは《貫ガエル》1体と《魔知ガエル》の2体、よって攻撃力は2400ポイント上昇。さらに《湿地草原》で合計攻撃力は4000に!《貫ガエル》で栗原先輩に直接攻撃!」

栗原 由紀 LP8000→LP4000

「結構やるのかな?でもまだまだなのかな?」
「そう、まだです!《貫ガエル》が直接攻撃でダメージを与え、尚且つ他の「ガエル」がいるとき、相手の魔法・罠カードを破壊できる。そのセットカードを破壊!」
「むぅ!?《王宮のお触れ》のせいで《奈落の落とし穴》が無駄に破壊されちゃったのかな?」
基はデュエルを再開する前に《王宮のお触れ》を発動していたようで、栗原の伏せていた《奈落の落とし穴》を使用されるより先に《貫ガエル》で破壊することに成功した。
「これで僕はターン終了です。」

(?ターン目)
大庭 基:LP8000、手札0
場:《貫ガエル》(ATK4000)、《魔知ガエル》(DEF2000)×2
場:《団結の力》、《王宮のお触れ》、《湿地草原》

栗原 由紀:LP4000、手札1
場:《シャインエンジェル》(ATK1400)、《コーリング・ノヴァ》(ATK1400)
場:伏せ×1


「どうやら、大庭が押しているようだな。だけど、なんだか嫌な感じがするぜ。」
「見城さんもですか。やっぱりこのデュエルは…。」
「闇のゲームね。」
吉井達はデュエルをしている二人の周りから放たれる重々しい空気を感じ、それが今まで自分たちの体験してきた闇のゲームと似ているものだと思っていた。

「私のターンかな?ドローをするのかな?えへへ、前のターンにモンスターを破壊されなくて良かったかな?」(手札1→2)
栗原が手札の中から1枚を取り出すのを見て、何かが来ると対戦相手である基、そして吉井達も感じとっていた。
「《シャインエンジェル》と《コーリング・ノヴァ》の2体をリリース?手札から《DT(ダークチューナー)−ヘルウェブ・スパイダー》をアドバンス召喚するのかな?」(手札2→1)
《シャインエンジェル》と《コーリング・ノヴァ》が次元の裂け目のような空間に飲み込まれて消えると腹部に巨大な一つ目を持った巨大な蜘蛛がフィールドに現れた。

「「「ダークチューナー!?」」」
「やはり、来たか!」
吉井達3人は聞きなれない名前のモンスターの出現に戸惑っていたが、基は出現したモンスターが来ることを想定していたようであった。

「ふ〜ん、基くんは知っているのかな?ダークチューナーを?」
「知っていますよ。そのカードを栗原先輩、あなたから取り上げるためにデュエルを挑んだんです。」
どうやら基の目的は栗原の所持しているカードのようで、基にはそのカードがどんなものか解っているようであった。
「じゃあ、使っちゃおうかな?ヘルウェブ・スパイダーの効果発動なのかな?デッキから通常モンスター1体を特殊召喚なのかな?レベル1の《もけもけ》を特殊召喚なのかな?」
ヘルウェブ・スパイダーが腹から糸を出すとその糸はゆっくりシュルシュルと栗原のデッキの中のカードにくっつき、そこから《もけもけ》のカードを出して、栗原の場に守備表示で特殊召喚した。


DT(ダークチューナー)ヘルウェブ・スパイダー レベル11 闇属性・昆虫族・ダークチューナー
ATK0 DEF0
このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したとき、自分のデッキから通常モンスター1体を特殊召喚する。


「さぁて、私の新しい切り札をお披露目かな?レベル1の《もけもけ》にレベル11のヘルウェブ・スパイダーをダークチューニング?!」
ヘルウェブ・スパイダーは11個の星に変化し、星々はもけもけの中に入っていく。するともけもけが苦しみ始め、もけもけの中から10個の黒い星が飛び出し、もけもけが消滅してしまった。
「心に住みし天の光よ、今、邪な力を借りて現界せよ!」
黒い星々は地面の上で輪になるように並び、その輪の中心の空間から黒い液体のようなものが一気に沸き上がる。
「ダークシンクロ?!
《六道神 TEN−DO》?!
黒い液体は空中でグニャグニャと形を変えていき、人の形を形成していく。
そして、出来た人は桃色の羽衣を纏っており、頭にはハスの花が咲いて、神々しい光が溢れ出ていた。

「ダークシンクロ!?なんて禍々しい召喚方法しやがる!」
「《六道神 TEN−DO》…。このモンスターを見ていると、不思議と心が落ち着きます…。ですが…。」
「ええ。無理やり、そうさせられている感じがするわ。…栗原先輩、まさか闇の力に…・」
吉井達はTEN−DOの登場で気持ちが落ち着いて楽になる感覚を覚えていたが、それが自らの心の内からではなく、外から無理やり感情を操られていると感じ取っていた。
そしてその力に栗原が惑わされているのではないかと考えていた。

「これが、私の神様、《六道神 TEN−DO》なのかな?さあ、基くん、神様の前にひれ伏すといいのかな?」
「あいにく、僕は人前でホイホイ姿を見せる神様は好きでは無いんで、従えませんね。」
基は栗原の申し出を即座に断る。まるでかつて自分が神と言う存在に出会ったかのような口ぶりであった。
「でも、ひれ伏してもらうよ?TEN−DOの効果発動?!1ターンに1度、相手フィールド上のカードを全て破壊する?!」



六道神 TEN−DO レベル−10 闇属性・天使族・ダークシンクロ
ATK4000 DEF4000
チューナー以外のモンスター1体−ダークチューナー
このカードを特殊召喚するためには、自分フィールド上に存在する「DT(ダークチューナー)」と名のついたチューナーのレベルをそれ以外の自分フィールド上に存在するモンスター1体のレベルから引き、その数字がこのカードのレベルと等しくなければならない。
このカードのシンクロ召喚は無効化されない。このカードのシンクロ召喚成功時、及び、効果の発動時に相手の魔法・罠・効果モンスターの効果の発動はできない。
1ターンに1度、相手フィールド上のカードを全て破壊することができる。
このカードがフィールドから離れたターンのエンドフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。



TEN−DOの纏っていた羽衣の先端がくるくると回転して槍のような形になる。そして、ドリルのように回転させ、基のフィールドに雨のように何度も羽衣の槍が降り注いだ。


《魔知ガエル》×2(破壊)
《貫ガエル》(破壊)
《団結の力》(破壊)
《王宮のお触れ》(破壊)
《湿地草原》(破壊)


「基のフィールドが全滅しちまった!これはヤバイぜ!」
「破壊された2体の《魔知ガエル》の効果発動。フィールドから墓地に送れたことでデッキから「ガエル」と名のつくモンスターを手札に加えることができる。デッキから《貫ガエル》と《裏ガエル》を手札に加えます。」
基のフィールドが破壊されて見城は焦り出すが、当の本人である基はいたって冷静であった。基は顔の色何一つ変えず、《魔知ガエル》の効果を処理していた。
「ゆけ、《六道神 TEN−DO》?ジャッジメント・ボルテックス?!」
TEN−DOは右手の人差し指を基の方に向ける。指の先端には光が集まっていき、バチバチと音を立てて電流が指先を伝わり、身体全体を巡っていく。電気が溜まった人差し指を天に向けると暗雲が立ち込め、雲に向かって電気を放出した。
そして、雲に流れた電気はピカッと一瞬爆発したかのように光を発生させると落雷となって基を襲った。


大庭 基 LP8000→LP4000


「一気にライフが減らされた!」
「大庭、大丈夫か!?」
「大庭さん!?」
基は吉井達の心配、ライフポイントが半分も減らされたにも関わらず、何も動揺しておらず、平然と立っていた。
「ターン終了ですか?」
ダメージを受けても何も感じていないのか、栗原のターンがこれで終わりなのかを基は聞気はじめる。
「むぅ、無反応なんてつまらないかな?私はカードを1枚伏せてターンを終了するのかな?これでターン終了?さて、手札に大量の雑魚カードを入れたけど、この状況をどう覆す気でいるのかな?」(手札1→0)

(?ターン目)
大庭 基:LP8000、手札2
場:
場:

栗原 由紀:LP4000、手札0
場:《六道神 TEN−DO》(ATK4000)
場:伏せ×2

「決闘時空(デュエルスペース)第二話 Part2」へのコメント

By アッキー
2012-08-23 23:29
あのときの1年男子が、基くんだったとは!
そして栗原先輩が出てくるとは・・・! 驚きの連続です。
栗原さんは年齢的にデュエリスト能力は失ってそうですが、新たなる力、ダークシンクロを手に入れた!
驚きと言えば、鷹野さん何やってんの・・・。相変わらずすぎるwww
しかし、あらためて思いますが、基くんはギャルゲーの主人公(?)のような容貌ですね。(←おい)

山田「特徴的な喋り方の人だな。」
八武「可愛い子だ。」
山田「そう・・・か・・・?」
八武「狂気はスパイスだよ、山田。」
山田「それは、ちょっと同意するけど。」
佐久間「本当にデュエリスト能力を失っているのか?」
山田「テンドーの凶悪さで十分だろ。」
天道朋萌「呼んだ?」
山田「呼んでない。」

基くんのデッキ、【ガエル】とは面白いチョイス。
この凶悪なモンスター相手に、どう戦うのか・・・。
フィールドに戻ってくるので、除去して殴るか、8000攻撃力か。
しかし2枚の伏せカードが気になりますねぇ。

佐久間「しかし基は冷静だ。奴にとって、この程度は修羅場と呼べないのだろう。」
八武「そう、真の修羅場は見城を巡るラブバトルだからな!」
山田「デュエルの行く末も不安だが、そっちも不安だな・・・。」
佐久間「そう不安がるな。ギャルゲーの主人公は神による補整がある。」
山田「その神が邪神ばっかじゃねーか。」
八武「しかしリンネは天使だと思わないか?」
山田「思わない。」
佐久間「邪神は誉め言葉。異論は認めない。」

pc
[編集]
By 呵々闘諍
2012-08-24 00:36
>アッキーさん
 >基と栗原
二人とも最初からいた!
決闘時空に出てくるキャラは決闘学園シリーズで(一応)登場したキャラを利用してます。
接点がまるでないと生徒会相手に門前払いされそうですからね(苦笑)

栗原さんのデュエリスト能力については次で明かされます。

鷹野さんはもうこういうキャラって決まってるんで(この人にはいろんな意味で勝てない)

基の容貌については後々理由が明かされます。(別にギャルゲー主人公というわけではないです(笑))

霧恵「2枚の伏せカードの正体、気になるなぁ。」
エリィ「……今時罠カードはカザリだからな……。……すぐキエルだろう……。」
霧恵「まぁ、基っちの戦略は一つじゃないからね。ガエルのロックも刻(とき)を稼ぐ手段だし。」
エリィ「……デュエルショウセツで大事な尺稼ぎだな……。」
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[編集]
By 千花 白龍
2012-08-24 22:19
白龍「テンドー君、どこに出張してるのやら…。」
天道 天「人違いだ!」
白龍「おほん、失礼。」

栗原さんの『?』な喋り方は怪しげなカードのせいですね?しかし、闇のデュエルならダメージがそのまま精神ダメージになったり、肉体ダメージになったり、ライフが0になると命の火が消えたりと色々危険ですよね。そうでなくても真のデュエリスト達は通常のソリットビジョンですらモンスターが破壊された時に吹き飛んだり、倒れたりしますからね。真の(ギャンブル)デュエリストもダメージを受けないソリットビジョンでモンスターが倒された時に心が痛むのがデュエリストの証みたいなことを言ってました。
基君も内心はダメージを受けているんだろうけど、それを表には出さない。きっと鷹野さんとのデュエルなど、色々な修羅場をくぐって来たからだろう。冷静さを失わないことで勝利を引き寄せると共に、相手のペースを止めることにも成功している。クールだぜ、大庭 基!
基が勝つことに微塵も疑いを持っていない私です。
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By 呵々闘諍
2012-08-24 22:49
>千花 白龍さん
おお、天道さんと同じ読み方!
このTEN−DOは仏教の六道の天道からとってますね。

栗原さんの語尾に「?」を付けるのは実は素だったりします。
影響を与えているダークシンクロモンスターのカードの厄介な特徴として、取り憑いた人物は普段通りに振舞っているというものがあります。

基にダメージが無いように見えるのは慣れているのとかっこつけだったりします(笑)
そして、基への応援ありがとうございます。
結末は今日の日記で!
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