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偽りの名 呵々闘諍の日記(力水の書いたやつ) 決闘時空まとめページ
2013-03-18(月)
決闘時空(デュエルスペース)第七話 Part2

決闘時空 第百十五話「いつ者」Bパート
「いやぁ、それにしてもこう4人でいると霧恵と出会った時のことを思い出すな。」
「ええ、もうあれから1年以上経つなんて、時の流れは早いものね。」
「霧恵さんとの出会いかぁ…。」
生徒会室で作業をしている吉井たちは霧恵と初めて出会いから今までのことの思い出に浸っていた。
いつも一緒にいる4人であったが、この4人が定着するまでは様々なことがあった。


一番最初の出会いは昨年の生徒会役員の選考会の時であった。
一年生であった霧恵はそこで同じ学年の吉井や見城と対戦していた。
一時選考を勝ち抜いた霧恵だったが、三次選考において見城とは別枠で敢え無く敗北してしまった。
だが、そこで意識はしていなかったが、デュエリスト能力の片鱗を霧恵は見せていた。
それに目をつけた朝比奈と佐野は霧恵を生徒会に出入りすることを許した。霧恵が本当にデュエリスト能力保持者か見極めるためである。

霧恵が全国大会に直接参加することは無かったが、練習のために生徒会とはよくデュエルをしていた。
特に同学年であった吉井、見城、同じ学年に籍を置いている天神とは仲がよく、いつも4人でいるところを見かけられている。
決勝戦の際に見城が行方不明になった時も必死に探し回り、見城が見つかった後は犯人探しのために警察に協力することが多くなった。
それでも、時間があるときは吉井、見城、天神の4人と共に行動することが多かった。

リンネの開いた世界大会の際には、ついに霧恵は自分の能力を使いこなせるようになっていた。
しかし、特異な能力のせいか大会に参加することが出来なかった。
その代わりに、またいつ狙われるか解らない見城の警護にあたり、暖かく見守っていた。
生徒会のみんながリンネに連れて行かれた時には、デュエルを見ることが出来なかったが、闘っているのがわかっているのか、みんなを応援していた。

時は過ぎ去り、朝比奈と佐野が卒業することになった。
泣きそうになる霧恵だったが、吉井や見城、天神に支えられて涙を堪えて笑顔で送り出した。

そして、今年も選考会の時がやってきた。
またもや落ちてしまったが、いつも通りに生徒会に顔を出していた。

クリムゾン・ドラグーンの部隊が学園を襲撃した際は、策にハマり、バラバラになって戦うことになったが、裏で霧恵は部隊のメンバーを撃退することに成功した。
その功績と現生徒会役員の鷹野たちがいないために、霧恵は生徒会役員(仮)として現在もこのようにして働いているのである。
今回のミ・イザナとの闘いも陰ながらであるが、尽力している。


「本当に、色々あったわね…。」
「でさ、一番おもしろかったのが、リンネが本物の神様って聞いた時だよな。」
「そうですね。信じないって言って、聖書を広げて猛抗議でしたからね。」
「ウチはまだ信じてないよ!」
霧恵は教会のシスターである。そのため、世界中の人々を巻き込んだリンネを本当の神であると信じず、天使であるミカエルだ、と解釈していた。
天使のミカエルは神に似ているものと言われている。
神はいつも人間に試練を与えるものと考えている霧恵は、リンネのそれもミカエルとの戦いの試練だったと思っているのだ。

「でも、面白い考えよね。」
「ああ、アタシもあのリンネが神様だったら神社にお参りできないからな。」
「見城さん、そこは教会にしないと。」
「ふぅーんだ、どうせウチの教会には人来ませんよーだ。」
「「「「あはははははははははは!!」」」」
仕事中であるが、冗談を交えつつ笑顔でいるいつもの4人。こんな至福の時がいつまでも続けば良いなと心の底から4人は思っていた。

だが、平穏はいつまでも続かないものであった。
「大変です、またクリムゾン・ドラグーンの部隊が来ました!」
「「「「な、なんだって(ですって)!?」」」」
連絡係りちゃんが再び報告しに来た。一日に二度も襲撃するという異常事態にいつもの4人も困惑していた。
休校になり、ほとんどの生徒たちは帰っていったが、警護に当たっている教師や吉井たちのようにまだ仕事の残っている学生が学園内にはいた。
しかも、今度はバラバラに現れ、各方面で警備に当たっていた教師たちを襲っていた。
「やつら、いったい何が目的なんだ…!!」
「考えても埒が明きません!僕たちで何とかしましょう!」
「バラバラに行動することになるから気をつけて!」
「大丈夫、いつものリズムを忘れないで!」
かくして、吉井たちいつもの4人はそれぞれが東西南北の門で闘っている教師たちの元へ向かった。

「く、ここまでか!」
「先生、あとはアタシにまかせな!」
「見城君!すまない!」
東門に着いたのは見城。

「そこまでよ!私が相手になるわ!」
「天神君か!助かったよ!」
南門に着いたのは天神。

「ぐお!ま、まずい!」
「僕がここを引き受けます!」
「吉井君!ぐ、生徒を危険な目にあわせるわけには…。」
「大丈夫です、先生。僕を信じてください。」
「…っ!頼んだぞ、吉井君!」
西門に着いたのは吉井。

「ウチが来たからにはもう安心だよ!」
「霧恵君!?来てくれたのか!」
「先生、下がっててください!」
北門に着いたのは霧恵。

いつもの4人は散り散りになりながらも闘いを挑むことになった。
それぞれの場所でデュエルディスクを展開し、デュエル開始の宣言をする。

「「「「デュエル!!」」」」

だが、デュエルが始まって数ターン後、吉井、見城、天神の3人は何か違和感に気づいていた。
「闘う気が感じられない…!?」
「どういうことだ、こいつら!?」
「守りに徹している!?」
吉井たち3人の相手は人形のように黙って防御するカードを1枚ずつ使うだけで全く攻めようとしなかった。エクゾディアパーツを揃えているのかと思い、手札破壊のカードを使ってもそれらしいカードは1枚も無かった。
「はっ…!?ま、まさか!?」
「この戦法は…!?」
「まずい…!!」
吉井たちは直感的に気づいてしまった。対戦相手は最初から勝とうとなど考えていない。
人形のようにただそこに立っているだけである。そう、彼らの狙いは…
「「「霧恵(さん)!!」」」

数分前、霧恵とスーツとのデュエルが始まった最初のターン、スーツのデュエリストは不敵な笑みを浮かべていた。
「何が可笑しい!?」
「ふっふっふっふ、こうも簡単に罠に引っかかるとは。生徒会も堕ちたものだな!」
「その声!?まさか、あなたは!?」
「そうだ、私だ!」
スーツは掛けていたサングラスを外し、素顔を見せる。
「会沢(あいざわ)先輩!?」
襲撃してきたスーツの正体は、旧生徒会役員の一人、会沢 さゆりであった。
朝比奈と佐野の卒業式の時に、会沢は来ており、その時に霧恵とも面識があった。
しかし、その時とは違って目は充血しており、正気の姿には見えなかった。
「もしかして、クリムゾン・ドラグーンの洗脳!?」
「察しがいいな。そう、私は今クリムゾン・ドラグーン様の忠実な部下だ。そして、今、お前たちは罠に掛かったのだ!」
「何っ!?」
会沢は嬉々として今回の作戦の説明をし始めた。
「まず手始めに4人の手駒とお前たちを闘わせた。そこでお前たちの弱点を見つけだすことに成功したのだ!」
「ウチらの弱点!?」
「お前たち生徒会は個々の能力が強力なのに違いない。だが、それの真価を発揮するのは仲間がいる時だ。そして、その中心にいるのがお前、霧恵だと解った!だから、私の部下たちに他の3人の足止めとなり、私がお前を叩くという手はずを整えたのだ!」
「でも、それじゃウチが会沢先輩と当たるなんて解らないじゃない!」
霧恵には解らなかった。何故、会沢が霧恵が北門に来ることを知り、待ち構えていたのかを。
「最初に手駒と闘わせたとき、デュエルディスクに細工をしておいたのだ。デュエルディスクは海馬コーポレーションの人工衛星を中継し、ソリッドビジョンを映し出している。デュエルをした際、そこにハッキングしてお前たちのデュエルディスクの位置情報を解るようにしておいたのだ!そして、お前たちが動き出した際に私たちも動き出し、教師たちに気づかれないようにデュエル中に瞬間移動して交代していたのだ!」
「なんていう回りくどい作戦だ!」
霧恵は驚くよりも呆れていた。瞬間移動できるならハッキングをする必要性は無い。
そのことに気づいていないのか、洗脳のせいなのか、会沢は作戦成功を誇らしげに思っていた。

「ふっふっふっふ、それでは、デュエルを続けようか。私は、《コアキメイル・ウォール》を召喚!(手札6→5)」
「《コアキメイル・ウォール》!」
「そうだ、お前の能力は魔法や罠の“効果”を重複させたり、無効にしたりするということは解っている。“発動”事態を封じてしまえば問題は無い!」
「くっ!」
霧恵は自分のデュエリスト能力の弱点を見破られ苦い顔をする。
会沢の言うとおり、霧恵の能力は魔法・罠カードの効果に影響を及ぼすものである。効果が発揮される前の発動を無効にされては意味が無いのだ。
「さらに私はカードを1枚セット!(手札5→4)エンドフェイズに手札の岩石族モンスターである《コアキメイル・サンドマン》を見せて《コアキメイル・ウォール》を維持する。ターン終了!」
「罠を封じる《コアキメイル・サンドマン》もあるなんて!」
霧恵にとって辛いデュエルが始まった。
はたして、霧恵は会沢を倒せるのか!?吉井、見城、天神は霧恵の窮地に駆けつけることは出来るのか!?
Cパートに続く!!
「決闘時空(デュエルスペース)第七話 Part2」へのコメント

By アッキー
2013-03-19 00:29
思い出話を聞いていると、うっかり信じかけそうになったパート。
これが認知的不協和というやつか・・・。(←何か違う)

八武「いつもの光景は美しいものだ。」
山田「俺は恐い。ずっと恐い。」

しかし霧恵のことだけでなく、クリムゾン・ドラグーンの部隊も何だか怪しい。
パートAのときは、霧恵が仲間であることを強調する為に送り込まれたのかと思っていましたが、そうでないとすれば・・・何かもっと大きな不気味なものが動いてるような気がします。

八武「アッキーは何を言ってるんだ。霧恵は仲間だろ!」
山田「死根也は放っておくとして、クリムゾン・ドラグーンが絡んでるとしたら、今頃になって動き出したのは何故だ?」
佐久間「可能性として高いのは、翔武学園の襲撃命令を遂行する前に都市が陥落し、身を隠すことになった。そして機が熟したと見て襲撃。」
山田「それで一応筋は通ってるか。」
佐久間「ただし、そこに誰かの思惑が絡んでいないとは限らない。絡んでるんだろうな。楽しみだ。」

しかし会沢先輩のドヤ顔www
コアキメイルも、まだ魔法を封じただけ・・・・とはいえ、伏せカードがありますか・・・。

佐久間「くだらない無駄ほど面白いんじゃないか。」
山田「デュエルは真面目だよな?」

pc
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By 呵々闘諍
2013-03-19 19:10
>アッキーさん
>怪しい人物たち
まあ、いきなりこんな話だと全部疑わしく思いますよね。
ん〜、とあるアニメの話の影響を受けてるとだけ言えます。

>会沢先輩
そんな感じで会沢先輩登場です。他の旧生徒会メンバーと比べて生真面目な人をイメージしたんですが、操られてるのかおかしな娘に…。
ん〜、これからどう動かすか…。

このお話のヒント:このコメントの3、4、6、7行目の頭文字を並べると…
pc
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By 千花 白龍
2013-03-20 01:42
パルナ「お互いを信頼しているからバラバラの行動が取れる。きっとあいつなら勝つ。だから自分のこの敵に絶対、負けられない!って感じだよね。」
白龍「戦力の分散は戦術の基本。しかし、ピンポイントで霧恵さんを潰すとなれば、会沢さんの実力に余程自信があるのか、それとも合沢さんが敗れた時に別の誰かが控えているのか。」
パルナ「きりえーとぶつかるための作戦がアホらしかったから心配しなくていいんじゃない?」
白龍「まあ現生徒会が勝てばいい話なんですが、多分。」
パルナ「今回も六道神が出るんだろうね。苦戦するのは間違いないね。」
pc
[編集]
By 呵々闘諍
2013-03-21 19:54
>千花 白龍さん
そうですね、バラバラでも心はいつも一緒みたいな感じです。

今回も六道神は出る予定ですが、はたして、どんな効果になることやら…。
pc
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